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故・辛島文雄・トリビュート・バンド [Jazz Live]

■故・辛島文雄・トリビュート・ライブを聴いてきました。
池田篤(as)、原朋直(tp)、
菊池太光(p)、楠井五月(b)、小松伸之(ds)

脂の乗り切ったベテラン二人、充実の中堅一人、注目の若手二人の組み合わせです。
久々に血脇肉躍るライブを見ました。
辛島文雄さんの名前を冠した以上、絶対間違いないライブになると思いました。
結果は予想以上でした。
やっぱりジャズ・ファンは目ざといですね。
誰でもがそう思うのか、ライブ・ハウスは超満員の盛況でした。

ライブは1セット4曲、2セット4曲、アンコール1曲の構成でした。
辛島さんのオリジナルが中心でその他はキャノンボール・アダレイ(as)がヒットさせたデューク・ピアソン(p)の「Jeannine」とアンコールで演奏したモンクの「'Round Midnight」です。
まず驚いたのは若手3人のピアノ・トリオです。
若手といっても菊池太光(p)さんと楠井五月(b)さんの実力は知れ渡っていて注目度も高いです。
小松伸之(ds)さんは辛島文雄・トリオで鳴らしたドラマーでこれからの日本ジャズ・ドラム界を背負う中堅の一人です。
なにしろこの3人が凄かった。
パワフルかつエネルギッシュに飛ばす飛ばす、菊池さんを中心にドラム、ベースとの阿吽の呼吸が素晴らしかった。
3者が変幻自在に展開する、特に菊池&小松の打楽器二人の演奏には度肝を抜かれました。
これでもか、これでもか、と叩き煽りまくります。

対する2人のベテラン勢はどうか。
リーダーの池田篤さんのアルトの音色がいいです。
やわらかなジョニー・ホッジス系は最近は珍しいかもしれません。
原朋直さんのコントロールの利いたテクニシャン振りは見事でこちらはフレディ・ハバードを彷彿とさせました。
若手3人に圧倒されるかと思いきやバラードになると俄然生き返ってくるのが面白かったです。
バラード表現は経験がものをいう、概してベテランのエンジンのかかりは遅いと思います。
そのクライマックスは後半にやってきました。
圧巻は辛島さんがジャック・デジョネット(ds)に贈ったという「Like Blues For J.D」という曲でした。
各人の火の出るようなインプロビゼーションが素晴らしく、バース・チェンジには背中がゾクゾクとしました。
まさに「興奮のるつぼと化す」とはこういうことだと思います。
観客はみんなその熱気に圧倒されて呆然としていました。

実力者同士がぶつかり合う渾身のライブは本当に素晴らしかった。
ジャズは一瞬に生まれ、一瞬に消える音楽です。
同じ場所にいる人しか共有できない。
ここにはジャズ・ライブの醍醐味がありました。
本当に凄いライブを聴いて大満足です。

At The "Sometime" Kichijoji On 2019/03/09

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JOHN PIZZARELLI TRIO / FOR CENTENNIAL REASONS [Jazz Vocal]

* JOHN PIZZARELLI TRIO / FOR CENTENNIAL REASONS
: 100 Years Salute To King Cole

image1296.jpg

john pizzarelli(g,vo), mike karn(b), konrad aszkudzki(p)
2019/Ghost Light/

1 Straighten Up And Fly Rightrit (N.Cole/I.Mills)
2 A Hundred Years From Now (J.Pizzarelloi/J.Molaskey)
3 The Very Thought Of You (R.Noble)
4 Anything For You (A.Hill/C.Hopkins/B.Williams)
5 I'm Such A Hungry Man (B.Troup)
6 It's Only A Paper Moon (H.Arlen/Y.Harburg/B.Rose)
7 Body And Soul (J.Green/E.Heyman)
8 Nat King Cole (J.Pizzarelli)
9 When I Fall In Love (E.Heyman/V.Young)
10 Save The Bone For Henry Jones (D.Barker/M.Goldsen)
11 Hit That Jive, Jack ! (J.Alston/C.S.Tolbert)
12 Could-'Ja (B.Carey/C.Fischer)
13 Red Sails In The Sunset (J.Kennedy/H.Williams)
14 Route 66 (B.Troup)

ジョン・ピザレリ(g,vo)を久し振りに買ってみました。
調べたらなんと15年振りでした。
以前は好きでよく聴いていたので今作が15枚目のアルバムになります。
ピザレリのギターとヴォーカルは軽快さが持ち味でポピュラーな感覚もあって聴き易い。
ギターのアドリブとスキャットは抜群のスイング感です。
そのピザレリも今年で58歳、お父さんは同じギタリストのバッキー・ピザレリです。
15年間の空白にはバッキーさんの方を多く聴いていました。
バッキーさんのリズム・ギターはまさに名人芸で昔のギタリストは本当に上手いです。

今作はナット・キング・コールのトリビュート・アルバムです。
ドラムレスのピアノ、ギター、ベースのトリオ編成はナット・コール・トリオが広めました。
最近ではほとんど見かけない組み合わせもしれません。
ナット・コールは45歳で亡くなっていますが今年は生誕100周年なんですね。
ジョン・ピザレリのソフトで渋いギター・プレイと歌声を聴くことが出来ました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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GRANT STEWART QUARTET / AROUND THE CORNER [Jazz Tener Sax]

* GRANT STEWART QUARTET / AROUND THE CORNER

image671.jpg

grant stewart(ts,ss),
peter bernstein(g), peter washington(b), phil stewart(ds)
2010/Sharp Nine/

1 Get Happy
2 The Scene Is Clean
3 I Waited For You
4 That's My Girl
5 Blue Rose
6 Maybe September
7 Around The Corner
8 Something's Gotta Give

グラント・スチュワート(ts)もまた去年再評価したプレイヤーの一人です。
それで見つけたら買い足している状態になっています。
グラントは多作家ですがそれだけ人気があるということでしょうね。
ゆったりとした豊かな音色を持っています。
一応、ソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードン、ジョニー・グリフィン辺りがルーツになるかな。

今作はピーター・バーンステインのギター・トリオをバックにしたワン・ホーンです。
テナー・サックスは特別語ることはないけれど2曲で演奏したソプラノ・サックスが良かったです。
グラントのやわらかで茫洋とした持ち味がソプラノ・サックスの音色に生きて新鮮でした。
(2)「The Scene Is Clean」と(6)「Maybe September」が聴きどころになりました。
ベストはその後者です。

(中間系)

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CARLOS GARNETT QUINTET / UNDER NUBIAN SKIES [Jazz Tener Sax]

* CARLOS GARNETT QUINTET / UNDER NUBIAN SKIES

image670.jpg

carlos garnett(sax), russell gunn(tp)(except 3,9)
carlton holmes(p), brad jones(b), shingo okudaira(ds),
1999/HighNote/

1 Dancing Daffodils
2 Blues For John C.
3 My One And Only Love
4 Happy Children Song
5 What
6 Under Nubian Skies
7 Epitapher Zackerism
8 Mango Walk
9 Down & Up Again

今作はカルロス・ガーネット(ts)の紹介の最後になります。
フロント2管の相手はラッセル・ガン(tp)です。
ラッセル・ガンは中々に飛んでるトランぺッターで一筋縄ではいきません。
2000年頃には気鋭のトランぺッターとして注目していました。
ルーツはフレディ・ハバード(tp)やブッカー・リトル(tp)辺りになると思う。
↓の2枚は良く出来たアルバムなので機会があれば是非聴いてみて下さい。

* RUSSELL GUNN SEXTET / BLUE ON THE D.L (2002/HighNote)
* RUSSELL GUNN QUINTET / SMOKINGUNN (2000/HighNote)

ガーネットの作品では最もストレート・アヘッドな仕上がりになっています。
上記のラッセル・ガンもまだ20代なので若々しさに溢れています。
この時期のガーネットの諸作はレギュラー・カルテットが素晴らしいのでどれもいいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)


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