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JOE MAGNARELLI QUINTET/ IF YOU COULD SEE ME NOW [Jazz Trumpet]

* JOE MAGNARELLI QUINTET/ IF YOU COULD SEE ME NOW

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joe magnarelli(tp), ralph moore(ts),
anthony wonsey(p), dezron douglas(b), george fludas(ds)
2018/Cellar Live/

1 Lady Bird
2 On A Misty Night
3 Bula Beige
4 The Tadd Walk
5 If You Could See Me Now
6 The Dream Is You
7 I Think I'll Go Away
8 Sando Latino
9 Super Jet

ジョー・マグナレリ(tp)は1960年生まれの現在59歳、ニューヨーク出身です。
比較的地味なトランぺッターだけど貴重なサイドマンとしての評価も高い。
マグナレリの安定感と安心感には定評があります。
今作が何が何でも欲しいと思ったのは久々にラルフ・ムーア(ts)の名前を見たからです。
ムーアは好きなテナー奏者でしたが1990年代後半に突如として消息を絶ちました。
ジャズマンが隠遁生活を送ったり、表舞台から消えるのはよくあることだけど・・・。
「出た~」という感じ・・・なんと20年振りの登場には驚きました。
ラルフ・ムーアは1956年生まれの今年63歳、イギリスのロンドン出身です。
彼もまたバークリーで学んでいます。
ムーアはオスカー・ピーターソン(p)やシダー・ウォルトン(p)に可愛がられていました。
注目してたのに40代、50代の一番充実する時に消えてしまったのはなぜだろうか?

さて今作は最近では珍しいタッド・ダメロン作品集になっています。
ダメロンはピアニスト&作編曲者として知られているけど48歳の若さで亡くなっています。
代表作は表題曲にもなっている(5)「If You Could See Me Now」ですね。
その他ここでも演奏されている「Lady Bird」、「On A Misty Night」はジャズ・メン好みの曲。
また「Our Delight」や「Hot House」などのバップの名曲があります。

ここはメンバーにも魅力があります。
アンソニー・ウォンジー(p)やデズロン・ダグラス(b)とくれば主流派ハード・バップ路線は明白です。
ウォンジーもまたバークリー出身で熱心な親日家として知られています。
さて問題のラルフ・ムーアですが私はいまひとつ物足りなさが残りました。
往年の演奏は無理だとしても切れ味も迫力も不足していて何か手探りという感じがしました。
やはり長く一線から離れていたことがその理由かもしれませんね・・・病み上がりという可能性もあるかも。
まぁ、しかしムーア自身の新譜アルバムも出たようなのでこれからの復活に期待したい思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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KAREN SOUZA / ESSENTIALS [Jazz Vocal]

* KAREN SOUZA / ESSENTIALS

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karen souza(vo), etc
2011/MusicBrokers/

1 Do You Really Want To Hurt Me ?
2 Creep
3 Atrawberry Fields Forever
4 Tainted Love
5 Corcovado
6 Every Breath You Take
7 Personal Jesus
8 New Year's Day
9 Billie Jean
10 Wake Up And Make Love With You
11 Have You Ever Seen The Rain
12 Bette Davis Eyes

アルゼンチン出身のカレン・ソウサ(vo)を聴くのは2枚目になります。
今作の方が1年早いのでこちらがデビュー盤になるのかもしれませんね。
前回はジャズ友の間で話題になった↓のアルバムでした。

*KAREN SOUZA / HOTEL SOUZA (2012/Music Brokers/)

全12曲はソウサの幅広い音楽性を表した選曲になっています。
ビートルズの(3)、スティングの(6)、マイケル・ジャクソンの(9)など。
特にマイケルの大ヒット曲、「Billie Jean」はカッコ良かった。
彼女の一番の魅力はその声と気だるい歌い方で実にセクシーです。
これを耳元で囁かれたら男はまずイチコロですよ。
何も言うことはありません、聴いてもらえれば一目瞭然です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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RENATO SELLANI TRIO / MY FOOLISH HEART [Jazz Piano]

* RENATO SELLANI TRIO / MY FOOLISH HEART

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renato sellani(p), massimo moricone(b), massimo manzi(ds)
2008/Venus/

1 Besame Mucho
2 I Love Y, Porgy~Summertime
3 My Foolish Heart
4 So In Love ~I Love You
5 Corcovado
6 Stella By Starlight
7 My Funny Valentine
8 But Not For Me
9 Autumn Leaves
10 It Could Happen To You

イタリアのベテラン・ピアニスト、レナト・セラニの作品です。
イタリアもまたヨーロッパのジャズ大国の一つですね。
イタリア・ジャズにはお洒落で明るいイメージを持っています。
イタリア出身のジャズメンを思いつくままに上げていくとジャンニ・バッソ(ts)、エンリコ・ピエラヌンチ(p)、レナト・セラニ(p)、フランコ・セリ(g)、エンリコ・ラヴァ(tp)、フランコ・アンブロゼッティ(tp)、二コラ・コンテ(g)、ファブリジオ・ボッソ(tp)、フラビオ・ボルトロ(tp)、ステファノ・ボラニ(p)、ジョバンニ・ミラバッシ(p)、フランチェスコ・カフィーソ(as)、ダニール・スカナピエコ(ts)、ステファノ・ディ・バティスタ(as)など。
ジャズ友の評価が高いのはピエラヌンチかな、カフィーソは現在私の収集対象になっています。

レナト・セラニは1926年生まれ、2014年に88歳で亡くなっています。
今作は2007年録音なのでセラニが81歳時の作品になります。
イタリアの巨匠、大御所の名称にふさわしい貫禄とシブい演奏が詰まっていました。
何とも言えない本当に枯れた演奏なんですよ。
良く知られたスタンダード作品集ですがセラニの手にかかると全然違う感じがします。
タッチが絶妙で音が空間に漂ってくるよう・・・二重にも三重にも深い味わいがあります。
表題曲の(3)「My Foolish Heart」はこの曲のベストの演奏が聴けました。
ここから続く(4)「So In Love」の素晴らしさにはまさに鳥肌が立ちました。
これは凄い・・・ピアノ・トリオの絶品・・・くれぐれもジャケットに惑わされてはいけませんよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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SCOTT ROBINSON QUARTET / TENERMORE [Jazz Tener Sax]

* SCOTT ROBINSON QUARTET / TENERMORE

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scott robinson(ts),
helen sung(p,org), dennis mackrel(ds), martin wind(b),
guest : sharon robinson(fl)
2018/Arbors/

1 And I Love Her (Lennon/Mccartney)
2 Tener Eleven (Robinson)
3 Put On A Happy Face (Adams/Strouse)
4 Morning Star (Robinson)
5 The Good Life (Distel/Reardon)
6 Tener Twelve (Robinson)
7 Rainy River (M.Wind)
8 The Weaver (Robinson)
9 The Nearness Of You (Carmichael)
10 Tenermore (Robinson)

スコット・ロビンソンは1959年生まれの現在60歳、ニュージャージー出身です。
ご存知バークリーで学んでいます。
名前は時々見かけるけどリーダー作を入手したのは今作が初めてです。
最近では紹介したばかりのジョアン・チャモロ盤にも名前が出てました。
ロビンソンはマルチ・プレイヤーで色んな楽器をこなします。
あまりに多彩なのでこうなると、多楽器演奏はもはや趣味のようなものかもしれない。
各種サックス、クラリネット、フルート、トランペットなどですが本線はテナー・サックスだと思う。
何か変な帽子と思ったけどよく見るとサックスのリードで作ってあります。

全10曲は自身のオリジナル5曲とその他5曲の構成です。
ゴツゴツとした実に男っぽいテナー・サックスを聴かせてくれました。
甘さは控え目でグイグイと突っ込んでくるスタイルはけっこうハマるんじゃないかな。
技術的には申し分ありません、上手いですよ。
ヘレン・スン(p)が率いるバックのピアノ・トリオがまたいいんですよ。
彼女も久し振りだったけど切れ味鋭いピアノは健在です。
私的ベストは(5)「The Good Life」でバースからテーマに入るところにグッときました。
その他バラードでは(3)が、オリジナルでは軽快に飛ばす(4)が良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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HALIE LOREN / FULL CIRCLE [Jazz Vocal]

* HALIE LOREN / FULL CIRCLE

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halie loren(vo,p,org),
james m house(g,b), chris ward(g,b), brian west(ds),
dale bradley(cello), paul biondi(sax)
2006/White Moon/

1 Maybe I'll Fly
2 Alone
3 Sand
4 River (J.Mitchell)
5 Pretty Truth
6 Kitty
7 Full Circle
8 Empty
9 Numb
10 Almost Even
11 Sisters
12 Lucky

ヘイリー・ロレンもまた日本で人気のあるヴォーカリストですね。
珍しいアラスカの出身です。
今作はロレンのアルバムの中でも異色作になると思います。

全12曲は1曲を除いて全て自身のオリジナルで占められています。
いわゆるジャズ・スタンダードは1曲もありません。
シンガー・ソング・ライターとしてのヒントは(4)「River」の作者、ジョニ・ミッチェル(vo,g)にあるかな。
カントリー&フォークが色濃く、ポップス、ロックの味わいもあります。
つまりロレンのやりたい音楽はここいら辺にあるということですね。
より幅広い音楽性を持ったコンテンポラリーなサウンドを目指している言えます。
ただジャズ度は低いのでジャズ・ファンの好みは分かれると思う。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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TOOTS THIELEMANS EUROPEAN QUARTET / LIVE [Jazz Harmonica]

* TOOTS THIELEMANS EUROPEAN QUARTET / LIVE

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toots thielemans(hca),
karel boehlee(p), hein van de geyn(b), hans van oosterhout(ds)
2010/Challenge/

1 I Love You Porgy
2 Summertime
3 Comecar De Novo
4 The Day Of Wine And Roses
5 Circle Of Smile
6 'Round Midnight
7 Les Feuilles Mortes
8 Theme From Midnight Cowboy
9 On Green Dolphin Street
10 Ne Me Quitte Pas
11 Bluesette
12 For My Lady

トゥーツ・シールマンスは1922年ベルギー生まれ、2016年に94歳で大往生しています。
ご存知ジャズ・ハーモニカの第一人者でありジャズ・ギター奏者でもあります。
私がトゥーツの名前を知ったのはジョージ・シアリング・クインテットに在団していた時でした。
名盤として名高いのはビル・エヴァンス(p)との共演盤「Affinity」(1979)でしょうね。
ハーモニカをジャズ楽器に引き上げた功績は大きく、まさに偉大な先駆者、ワン&オンリーの世界を持っていた。
もう一つ重要なのはトゥーツのギターとハーモニカの同時演奏が音楽界に大きな影響を与えたことです。
ポップス、ロック、R&B、フォークソング、ラテンなどのあらゆる音楽でその手法が広がりました。
ビートルズのジョン・レノンやフォークのボブ・デュランがその筆頭格になるかな。
ハーモニカが持つ独特の世界、哀愁を誘うノスタルジックな音色はあらゆる音楽の重要な要素を占めています。
特にヴォーカルのバッキングとしても味わい深いものがあります。

さて今作は2006~2008年までのライブ演奏を集めたものです。
トゥーツが84~86歳時・・・この年でもこれだけ出来るのは凄い・・・ジャス怪物の一人です。
トゥーツ・シールマンスの晩年の代表作になるのは間違いありません。
全12曲は自身のオリジナル2曲とその他10曲の構成です。
なおオリジナルの(11)「ブルーゼット」はジャズ・スタンダードになるほどの有名曲になっています。
バックは先日紹介したばかりのカレル・ボエリー(p)を中心にしたヨーロッパの名人トリオです。
トゥーツを聴いているとヴァイオリンのステファン・グラッペリとダブってくるのはなぜだろうか。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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MIKE MURLEY TRIO / SHIP WITHOUT A SAIL [Jazz Tener Sax]

* MIKE MURLEY TRIO / SHIP WITHOUT A SAIL

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mike murley(ts), reg schwager(g), steve wallace(b)
2016/Cornerstone/

1 In Love In Vain (J.Kern/L.Robin)
2 Folhas Secas (G.Debriro/N.Cavaquinho)
3 Ship Without A Sail (R.Rodgers/L.Hart)
4 Dexterity (C.Parker)
5 You Can't Go Home Again (D.Sebesky)
6 Ever After (K.Wheeler)
7 Mean Old Man (J.Taylor)
8 Know One (M.Murley)
9 Two Degrees East, Three Degrees West (J.lewis)
10 Cry Me A River (A.Hamilton)

カナダのテナー・サックス奏者、マイク・マーレイのドラムレス・トリオの作品です。
ちょっと前に聴いたエミリー・クレア・ バーロウ(vo)のアルバムのバッキングが良かったので入手しました。
マーレイを聴くのは2枚目になります。
マイク・マーレイ・トリオは以前ドラムレス・ファンのジャズ友に「いいから聴いてみてよ」と薦められました。

*Mike Murley Trio / Live At The Senator (2000/Cornerstone)

前回↑のギタリストはエド・ビッカートで今作はレグ・シュワガーです。
両者共にカナダを代表するギタリストなのでこの二人が聴けるだけでも貴重かもしれない。
なおシュワガーは今週紹介したダイアナ・パントン(vo)盤にも参加しています。

全10曲は自身のオリジナル1曲とその他9曲の構成です。
ジョン・ルイス(p)の名曲(9)「Two Degrees East, Three Degrees West」は珍しいかな。
マーレイのドラムレス・トリオはまず雰囲気を味わうアルバムです。
ゆったりと落ち着いたサウンドは大人の時間を過ごすには最適です。
焦らず騒がず、でもただ静かだけでもない秘めた熱さも感じさせる。
ドラムレス・ファンの通がこういうのを聴いているかと思うと「さすがだなぁ~」と思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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DIANA PANTON / PINK [Jazz Vocal]

* DIANA PANTON / PINK

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diana panton(vo),
guido basso(cor,flh,tp), reg schwager(g), don thompson(b,p,vib)
2010/Muzak/

1 Wouldn't It Be Loverly
2 My Ideal
3 I Walk A Little Faster
4 My Future Just Passed
5 Wonder Why
6 Me Myself And I
7 What Is There To Say ?
8 Tea For Two
9 Please Me Kind
10 I Wish I Knew
11 They Didn't Believe Me
12 Love-Wise
13 Hold Me Hold Me Hold Me
14 Five Minutes More
15 Wait Till You See Him
16 Secret Heart

カナダ出身のダイアナ・パントン(vo)を聴くのは2枚目になります。
前回はボサノバのアルバム↓だったけど今作が1年早く出ていました。

*Diana Panton / To Brazil With Love (2011/Muzak)

ドラムレス・トリオのこちらの方が玄人好みの組み合わせ、選曲も本当にシブいです。
しっとりとして落ち着いた仕上がりで何とも素敵な雰囲気を持っています。
やっぱり一番は声が魅力的、ハスキーで甘く可愛いです。
なんか、うっとりとしてしまいますよ。
いつまでもこの声を聴いていたいと思ってしまう。
帯中には「寄り添うような声」って書いてありましたが・・・。
ドン・トンプソンを中心にしたトリオのバックの絡みがまた大人なんですよ。
どれもいいけどベストはバースから入った(8)「Tea For Two」かな。
続く(9)「Please Me Kind」もお気に入りです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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ROMA TRIO / LOVE IS A MENY-SPLENDORED THINGS [Jazz Group]

* ROMA TRIO / LOVE IS A MENY-SPLENDORED THINGS

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luca mannutza(p), gianluca renzi(b), nicola angelucci(ds)
2007/Venus/

1 Love Is A Many-Splendored Thing
2 If I Should Lose You
3 Whisper Not
4 Airegin
5 On Green Dolphin Street
6 I Love You, Porgy
7 Tea For Two
8 Claudia's Nightmare
9 Message In A Bottle
10 Everything I Love

ローマ・トリオの初アルバム・・・物語を感じさせる印象的なジャケットです。
解説によるとフランチェスコ・カフィーソ盤で共演していたドラマーの二コラ・アンジェルッチからの話だったようです。
ルカ・マヌッツア(p)は「ハイ・ファイブ」でジャンルカ・レンツィ(b)はジョヴァンニ・ミラバッシ・トリオで知られています。
「慕情」はいい映画でしたね、香港を舞台にした恋愛ものでサミー・フェインの音楽も素晴らしかった。
主演はジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデンでアカデミー賞を取りました。

日本制作盤にはある一定のパターンがありますね。
まずスタンダード中心に選曲してこれをどう料理するかに一番こだわります。
馴染みあるメロディのスタンダードには安心感と安定感がある。
多分、日本のジャズ・ファンがこれを一番求めているからだと思います。

さて今作ですが全10曲はアンジェルッチのオリジナル1曲とその他スタンダード9曲の構成です。
ここの魅力は変拍子にありました。
曲の中で自在に拍子が変わるのでスタンダードに新たな息吹が生まれています。
それぞれの力量も確かで三位一体の演奏が聴きどころになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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DAVID KIKOSKI QUARTET / PHOENIX RISING [Jazz Piano]

* DAVID KIKOSKI QUARTET / PHOENIX RISING

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david kikoski(p),
eric alexander(ts), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
2019/HighNote/

1 Phoenix Rising (E.Alexander/D.Kikoski)
2 Kit It (E.Alexander)
3 Wichita Lineman (J.Webb)
4 If I Were A Bell (F.Loesser)
5 Emily (J.Mandel/J.Mercer)
6 Love For Sale (C.Poter)
7 My One And Only Love (G.Wood/R.Mellin)
8 Lazy Bird (J.Coltrane)
9 Willow Weep For Me (A.Weep)

デヴィッド・キコスキ(p)は1961年生まれの今年58歳、ニュージャージーの出身です。
日本でもお馴染みのバークリー音楽大学で学んでいます。
プロ入りしてからアル・フォスターやロイ・ヘインズといったベテラン・ドラマーにしごかれて成長しました。
盟友はシーマス・ブレイク(ts)でライブでは対照的な静と動、光と影みたいなコンビが面白かったです。
キコスキが動と光、ブレイクが静と影です。

今作はハイノート・レーベルに移籍した第一作です。
全9曲はメンバーのオリジナル2曲とその他7曲の構成です。
選曲は良く知られたスタンダードが中心でキコスキにとっては何をいまさらと思ったかも知れませんね。
でもこのラインがハイノートのポリシーなのでやむを得ない。
1曲目の「Phoenix Rising」を聴いたらコルトレーン・サウンドそのものだと思いました。
キコスキはマッコイ・タイナーの影響が強いピアニスト・・・コルトレーン派のエリックとは相性がいい。
言わばエリック・アレキサンダー(ts)とのコンビネーションは動と動の関係になります。
アップ・テンポにおける両者のエネルギッシュで情熱的な演奏は期待を裏切らなかったです。
ジョニー・マンデルの(5)「Emily」を聴く。
キコスキがいまひとつ突き抜けないのはバラード奏法にあると思っています。
もう少し、しっとり感というか、艶やかさが出てくるともっと幅が広くなるんですが・・・。
もっともキコスキとエリックは似た者同士で器用じゃないところが一番の魅力かも知れません。
このままどこまでも突っ走ってもらいましょうか。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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