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NICK FINZER SEXTET / NO ARRIVAL [Jazz Trombone]

* NICK FINZER SEXTET / NO ARRIVAL

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nick finzer(tb), lucas pino(ts,bcl), alex wintz(g),
victor gould(p), dave baron(b), jimmy macbride(ds)
2018/Posi-Tone/

1 Rinse And Repeat
2 Never Enough
3 Maria (L.Bernstein)
4 Tomorrow Next Year
5 Soon (G.Gershwin)
6 No Arrival
7 Pyramid (D.Ellington)
8 Only This, Only Now
9 The Greatest Romance Ever Sold (Prince)
10 A Flower Is A Lovesome Thing (B.Strayhorn)

トロンボーン奏者のニック・フィンザーは初見、ニューヨークで活躍中とのことです。
最近思うのは作、編曲に秀でたジャズ・メンのコンボの大型化が顕著だということです。
6人~10人編成になれば音楽表現の可能性が広がるのは自明の理ですね。
ちょっと前に聴いたクリス・バイアーズ(as)がそうだったしフランチェスコ・カフィーソ(as)も出している。
これは1990年前後の新伝承派ジャズの旗手だったウィントン・マルサリス(tp)の影響も大きいと思う。
先祖帰りというか、今後こういう流れがまた広がってくると思っています。
バイヤーズはピアノレスでしたがこのフィンザーはピアノにギターが入っています。
フィンザーはデューク・エリントン(p)やジェリー・マリガン(bs)を尊敬しているらしい。
近年は低音楽器にバリトン・サックスではなくバス・クラリネットを起用することが特徴的です。
マリガンはバリトン・サックスにボブ・ブルックマイヤーのトロンボーンのユニークな組み合わせだった。
そういう意味ではフィンザーのトロンボーンにバス・クラリネットは新鮮な組み合わせと言えます。
バスクラを愛用したエリック・ドルフィ(as)には先見の明がありました。

さて今作ですが全10曲は自身のオリジナル5曲とその他5曲の構成です。
エリントンやストレイホーンが入っているのはいかにもだけどプリンスの(9)は異色でした。
面白かったのはウエストサイド物語の(3)「マリア」でトロンボーンが主役になると意外に良かったです。
フィンザーはメロディ・ラインを大切にするタイプでアレンジが計算されていて実にスマートです。
分厚いアンサンブルの上にそれぞれの熱いアドリブが乗っていく。
当然ながらウィンザーの作、編曲能力は高く、加えてトロンボーン奏法にも長けています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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HERBERT JOOS STANDARD PROJECT / NEW BOTTLES OLD WINE [Jazz Trumpet]

* HERBERT JOOS STANDARD PROJECT / NEW BOTTLES OLD WINE

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herbert joos(flh,tp), kalman olah(p), peter lehel(ts),
klaus dickbauer(as), ashim tang(b), mario gonzi(ds)
2001/Good/

1 Merksmarks
2 Blues March
3 Autumn Leaves
4 Exit
5 Straight No Chaser
6 Nature Boy
7 Freddie freeloader
8 Li'l Darlin

フリー系のベテラン・トランぺッターのヘルベルト・ヨースは1940年生まれ、ドイツ出身です。
ここはカルマン・オラー(p)の名前を見えたので手が伸びました。
カルマン・オラーは1970年生まれのハンガリー出身、2006年のモンク・コンペティションの優勝者です。
実は以前聴いたカルマン・オラー・トリオがいまいちだったです・・・メンバーに名前負けした感じかな。

*KALMAN OLAH TRIO / ALWAYS (2007)
kalman olah(p), ron mcclure(b), jack dejohnette(ds)

そんなヨースとオラーの二人がどんなスタンダードを聴かせてくれるのか、興味がありました。
結果は実に面白かったです、久し振りにガツンとしたジャズを聴いた感じがします。
ヨースのスタンダードが一筋縄ではいくはずもなく、絡むオラーのピアノも全開で魅力に溢れていました。
今作ではオラーが素晴らしかった、瑞々しく美しいタッチで水を得た魚のように生き生きとしていました。
モンク・コンペ優勝者にふさわしい演奏が聴けて感動しましたよ。
内容はまずヨースとオラーが雰囲気を出し、続いてメンバーがそれに絡んでいく。
基本的にグループ・サウンドは目指してなくてヨースとオラーが中心です。
二人のどちらかが真ん中に居てそれぞれのメンバーとのデュオ形式になっています。
フリー系の一つの形だけど、ひと味違うスタンダード料理を味わうことができました。
特に二人のコンビネーションが素晴らしい(3)「枯葉」は絶品です。
書き遅れましたが今作はライブ・レコーディングなので会場の臨場感が伝わってきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

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FABRIZIO BOSSO QUINTET / FAST FLIGHT [Jazz Trumpet]

* FABRIZIO BOSSO QUINTET / FAST FLIGHT

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fabrizio bosso(tp,flh), rosario giuliani(as,ss),
salvatore bonafede(p), giuseppe bassi(b), marcello di leonardo(ds)
2000/Red/

1 Fast Flight
2 Woman's Glance
3 My Life Express
4 Gibraltar
5 Actor & Actrees
6 Minor Mood
7 Too Young To Go Steady
8 Brother's Song
9 In Walked Bud
10 Family Blues
11 Fast Flight -take2

先日ファブリツィオ・ボッソ&ロザリオ・ジュリアーニ・クインテットのコンサートを見に行きました。

* FABRISIO BOSSO & ROSARIO GIULIANI QUINTET
fabrizio bosso(tp,flh), rosario giuliani(as),
alessandro lanzoni(p), daryl hall(b), Etoh Yoshito(ds)

メンバーはあとアレッサンドロ・ランツォーニ(p)、ダリル・ホール(b)、江藤良人(ds)さんのリズム・セクションです。
長い付き合いのボッソとジュリアーニのコンビネーションは抜群でスピード感溢れるテクニカルな演奏が聴けました。
ボッソは1stがフリューゲル・ホーン、2ndにはトランペットを使用して変化を付けていました。
ボッソは1973年生まれ、ジュリアーニは1967年生まれの共にイタリア出身です。
ジュリアーニが年上なので実質的なリーダーはこちらのようでした。
ライブでは特にピアノのアレッサンドロ・ランツォーニが素晴らしいと思いました。
タッチがいい、絶妙なタイミングと斬新なフレーズは聴いていて背筋がゾクゾクとするほどの興奮を覚えたほどです。

さて今作は20年前のボッソの初リーダー・アルバムでこの時すでに二人は共演しています。
全11曲はメンバーのオリジナル8曲とその他3曲の構成です。
その他の曲にはフレディ・ハバード(tp)の(4)とセロニアス・モンク(p)の(9)が選ばれていました。
なるほど、ボッソのルーツはハバードにあったのかと推測・・・モンクはみんなが好きなんだよね。
だから初リーダー作は面白いのです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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