SSブログ

ケニー・ワシントン(vo)&ジョナサン・カッツ・トリオ [Jazz Live]

■「ケニー・ワシントン(vo) & ジョナサン・カッツ・トリオ」を聴いてきました。
ケニー・ワシントン(vo)、ジョナサン・カッツ(p)、安ヵ川大樹(b)、アキラ・タナ(ds)

久々のライブ・レポートになります。
2年振りかな。

ケニー・ワシントン(vo)が来るということで楽しみにしていました。
中々にアメリカの旬の男性ヴォーカルを聴く機会がなかったからです。
以前にも来日公演しているようですがその時はまったくのノー・マークでした。
私がケニー・ワシントンの歌を意識したのはジョー・ロック(vib)盤のゲストで聴いてからです。

* Joe Locke Quartet / For The Love Of You (2010)

最初はてっきりあのベテラン・ドラマー(Kenny Washington)が歌っていると思っていました。
本職はだしのグラディ・テイトをはじめドラマーにも歌が上手い人はたくさんいるから。
でも同姓同名の全くの別人でした。
こちらはニューオリンズ出身の知る人ぞ知るヴォーカリストです。

休日の夜だったけど店内は満員でした。
つくづく日本のジャズ・ファンは目ざといと思いますよ。
みんな聴きたかったんですね。
普通は歌手が登場する前に前座で演奏がありますが今夜はいきなりの登場で驚きました。
ケニーさんは思ったよりずっと小柄な人でした。
でもね、歌いだしたらぐっと大きくなる感じがしました。
ライブは1曲目の「バードランドの子守唄」から始まりました。
その歌声はやさしくて、やわらかくて、まろやかで、よく通る美声です。
声量豊かに端正にゆったりと歌い上げる歌声に店内はシーンとなりました。
加えてスキャットも凄く上手くて、まるで楽器のソロを聴いているようでした。

曲目は「ララバイ・オブ・バードランド」、「トゥ・クロス・フォー・コンフォート」、「ジンジ」、「オールド・デヴィル・ムーン」、「チーク・トゥ・チーク」、「マイ・フェバリット・シングス」、「ムーンライト・イン・バーモント」、「ハニー・サックル・ローズ」、「ルート66」、「イエスタデイ」、「キャラバン」など。

ベストは4人が一丸となって盛り上がった「マイ・フェバリット・シングス」でした。
慣れ親しんだ曲・・・多分みんなが好きな曲でよく演奏しているんだと思います。
バラードの「バーモントの月」もしっとりと歌い上げて雰囲気がありました。
全体的に「イエスタデイ」を除いては古典的なスタンダードが多い印象を受けました。

個々の共演があってもこの4人が一緒に演るのは多分初めてだと思います。
でもなんとか出来てしまうのがジャズの良さでもあります。
ジョナサン・カッツさんは長い間東京を中心に活躍しているピアニストで日本語も上手いです。
アキラ・タナさんはアメリカ西海岸で長く活躍してきた日系二世のドラマーです。
ルーファス・リード(b)とのコンビ、「タナ・リード」が知られています。
1年に何度か来日して演奏しているので見る機会は多いです。
笑顔が優しくて素敵で、いつも演奏を楽しんでいるようにドラムを叩いています。
なんかその笑顔を見ると癒されるんですよ。
安ヵ川大樹さんは日本を代表するベーシストの一人です。
その強靭で確実なベース・プレイにはいつも感心されられます。
今回のライブでも安ヵ川さんが一番安定していました。
ケニーさんも安ヵ川さんが居て心強かったのではないかな。

ただ一つ残念なことがありました。
歌う前に必ず「何をやるか?」をカッツさんとケニーさんで相談してました。
これはね、演奏曲目を休憩時間に打合せしておいて欲しかったです。
1曲が終わるたびにライブの流れが分断されて余韻が消えてしまいました。

At The "Sometime" Kichijoji On 2018/11/23

nice!(0)  コメント(0) 

BENNY GREEN QUINTET / THEN AND NOW [Jazz Piano]

* BENNY GREEN QUINTET / THEN AND NOW

image1282.jpg

benny green(p), david wong(b), kenny washington(ds),
anne drummond(fl), josh jones(per), veronica swift(vo)
2018/Sunnyside/

1 Donny Hath A Way (B.Green)
2 For Regulars Only (D.Gordon)
3 Latin America (C.Walton)
4 Naturally (B.Green)
5 MInor Contention (H.Jones)
6 Enchanted Forest (B.Green)
7 Split Kick (H.Silver)
8 Say You're Mine (D.Pearson)
9 Humphrey (B.Green)
10 Hipsippy Blues (H.Mobley)
11 Something I Dreamsd Last Night (S.Fain)
12 Wiggin' (B.Green)

ベニー・グリーン(p)を買うのも久し振りで調べたら15年も間が空いてました。
15年前のアルバムはラッセル・マローン(g)とのデュオでしたがつい最近だったような気がします。
「え~、もうそんなになるのか」と、つくづく時間が経つのが早いと感じました。
ジャケットはベニーが少年だった時の写真ですね。
購入のキッカケはパーカッションとヴォーカル入り・・・グリーンのラテンなら聴いてみたい。

全12曲は自身のオリジナルが5曲とその他7曲の構成です。
デクスター・ゴードン(ts)、シダー・ウォルトン(p)、ハンク・ジョーンズ(p)、ホレス・シルバー(p)、デューク・ピアソン(p)、ハンク・モブレイ(ts)などの名前が見えました。
元々がハード・バップ・ピアニストとしてデビューしたベニーには納得のラインナップだと思います。
新味で面白かったのはヴォーカリストを楽器のように使っていたことです。
バック・グランド効果として使うのではなくてスキャットをそのまま前面に出していました。
もちろん、ヴォーカルをそのまま歌わせる場面もあります。
聴きどころはそのスキャットの(2)、(7)、(9)と(1)、(3)のラテン・リズムになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

nice!(0)  コメント(0) 

LLEW MATHEWS TRIO / NATHALIE [Jazz Piano]

* LLEW MATHEWS TRIO / NATHALIE
Featuring Jackie McLean

image643.jpg

llew mathews(p), stan gilbert(b), albart heath(ds),
guest:jackie mclean(as)(1,5)
1998/Key'Stone/

1 Dark Eyes
2 Take The A Train
3 Roundabout
4 Golden Earrings
5 My Funny Valentine
6 A Child Is Born
7 Un Forgettable
8 Thoughtful
9 Girl Talk
10 Second Hands Smoke

ルー・マシューズ(p)の名前はほとんど知られていないと思います。
解説によると1946年のニューヨーク生まれで名門ジュリアードに学んでいます。
70年代のほとんどを空軍の音楽隊で過ごしたとありました。
除隊後はジャズマンとして地道な活動を続けていたようですがまだ表舞台には登場していません。
80年代後半になってナンシー・ウィルソン(vo)のピアニスト兼音楽監督として知られるようになりました。

日本ではマシューズをポスト・ケニー・ドリュー(p)として売り出したかったようですね。
知名度が低いのでジャッキー・マクリーン(as)をゲスト出演させたと思います。
マクリーンなら私もちょっと聴いてみたいと思ったのでこの作戦は成功したかも。
でもマクリーンが参加しているのはたった2曲なので拍子抜けしたのも事実です。
その上、マクリーンの出来はいまひとつのような気がする。

全10曲は自身のオリジナルが2曲とその他スタンダードが8曲の構成です。
マクリーン参加は(1)「Dark Eyes」と(5)「MY Funny Valentine」の2曲だけです。
バッキングは抜群でピアノ・トリオ演奏では上品でリリカルな演奏が聴けました。
全体的な印象ではマシューズのピアノはちょっと線が細いような気がします。
ヴォーカルのバックを長く務めたピアニストはあまり目立とうとしない傾向にあるから。

(中間系)

nice!(1)  コメント(0) 

GARY BARTZ & SONNY FORTUNE QUINTET / ALTO MEMORIES [Jazz Alto Sax]

* GARY BARTZ & SONNY FORTUNE QUINTET / ALTO MEMORIES

image628.jpg

gary bartz(as), sonny fortune(as),
kenny barron(p), buster williams(b), jack dejohnette(ds)
1993Rec/Verve/

1 Stolen Moment (O..Nelson)
2 U.F.O (G.Bartz)
3 Jeannine (D.Pearson)
4 Minority (G.Gryce)
5 Billie's Bounce (C.Parker)
6 Embraceable You (G.I.Gershwin)
7 Capuchin Swing (J.McClean)
8 Lonely Woman (O.Coleman)
9 When Lights Are Low (B.Carter)
10 Warm Valley (J.Hodges)

ソニー・フォーチュンもまた70年代のマイルス・バンド出身のアルト・サックス奏者です。
先週紹介したデイブ・リーブマン(ts)と同時期に在団しました。
その後はエルヴィン・ジョーンズのジャズ・マシーンのメンバーとしても活躍しています。
フォーチュンはフリーからフュージョンまでこなす幅広い音楽性を持つミュージシャンです。
共演のゲイリー・バーツ(as)とは同年代の同志ということになります。
フォーチュンは今年の10月に79歳で亡くなったばかりです。

全10曲はバーツのオリジナル1曲を除いてはジャズの名曲が9曲の構成です。
どれもアルト・サックス奏者の作曲や演奏で有名な曲ばかりで選曲が興味深いですね。
オリバー・ネルソン、バーツ本人、ジジ・グライス、チャーリー・パーカー、ジャッキー・マクリーン、オーネット・コールマン、ベニー・カーター、ジョニー・ホッジスの偉大なアルト奏者の名前が並んでいます。
作曲者が違う2曲のうち(3)はキャノンボール・アダレイ(as)の大ヒット曲で(6)はパーカーの演奏で有名です。

バックのメンバーがまた良くてケニー・バロン(p)、バスター・ウィリアムス(b)、ジャック・ディジョネット(ds)です。
ゲイリー・バーツとソニー・フォーチュンのアルト・サックス名手の二人の競演を存分に楽しめるアルバムです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。